「扱いやすい弟君を王に据えたい勢力が、王太子殿下の血筋に疑義を申したのでしょう。皆様は王妃様が婚前交渉をしたとでも侮辱したいのですか?この国でもっとも尊重されるべき王妃様が蔑ろにされている事実が広まれば、サム国はあっという間に求心力を失いますわ。水晶に手をかざせば血筋がわかるなど、いくらでも偽装ができましょう」
エレノアが言うまで、兄上の血筋を確かめる行為が母上を侮辱することなど気が付かなかった。
母上は元は父上の兄の婚約者だった。
だけれども、父上の兄が父上の婚約者と馬車で事故死したがために残った母上と父上は結婚した。
それにしても、彼女が言った扱いやすい弟君とは僕のことだ。
自分の今までの行いがエレノアにそう見えていたことに苦しくなった。
「でも、お二方で馬車に乗られていたのですよね⋯⋯」
兄上のお手つきの一人の令嬢がエレノアに言う。
「2人で馬車に乗っただけで男女関係を疑われるのかしら。私はリード公子と2人きりになるけれど、疑われていますでしょうか? もし、そうだとしたら、公子に申し訳がたちませんわ」
エレノアが話す言葉にリード公女が笑う。
彼女は兄上のお気に入りで、兄上は彼女を婚約者に指名すると言っていた。
エレノアが言うまで、兄上の血筋を確かめる行為が母上を侮辱することなど気が付かなかった。
母上は元は父上の兄の婚約者だった。
だけれども、父上の兄が父上の婚約者と馬車で事故死したがために残った母上と父上は結婚した。
それにしても、彼女が言った扱いやすい弟君とは僕のことだ。
自分の今までの行いがエレノアにそう見えていたことに苦しくなった。
「でも、お二方で馬車に乗られていたのですよね⋯⋯」
兄上のお手つきの一人の令嬢がエレノアに言う。
「2人で馬車に乗っただけで男女関係を疑われるのかしら。私はリード公子と2人きりになるけれど、疑われていますでしょうか? もし、そうだとしたら、公子に申し訳がたちませんわ」
エレノアが話す言葉にリード公女が笑う。
彼女は兄上のお気に入りで、兄上は彼女を婚約者に指名すると言っていた。



