「エレノア・アゼンタイン侯爵令嬢を私の婚約者として指名します」
どうして、このような事になってしまったのだろう。
今、私を婚約者として指名しているのはサム国の王太子レイモンド・サムである。
現在18歳である彼が、明らかに付き合いで出席した婚約者指名の会にいる10歳の私を指名している。
彼は黒髪に海色の瞳をした美男子で、かなり遊んでいるらしい。
「エレノア、今日から婚約者としてよろしくお願いしますね」
にこやかに私に接してくるが、10歳の私と婚約することであと8年は遊べると思ったしょうもない男だ。
彼が婚約者として私を指名したことで、私は彼と2人きりと時を過ごさなければいけなくなった。
王宮の手入れされた庭園を、興味のない相手と行くあてもなく散歩する。
「私に気を遣わなくて結構です。今まで通り貴族令嬢への奉仕活動を続けてください。殿下が唯一国民に対してしている貴重な公務ですので⋯⋯」
私は皮肉を混ぜたような貴族の会話術が嫌いだ。
それでも、彼には言っておかなかればならないと思った。
「エレノア、あなたを知った瞬間から、私にとってあなたが唯一の女性です」
鳥肌が立つくらいの美しさで、レイモンドが私に語ってくる。
「ふふ、幼い少女が好きなのですか悪趣味ですね⋯⋯」
私は貴族令嬢が夢中になる彼に興味がない。
どうして、このような事になってしまったのだろう。
今、私を婚約者として指名しているのはサム国の王太子レイモンド・サムである。
現在18歳である彼が、明らかに付き合いで出席した婚約者指名の会にいる10歳の私を指名している。
彼は黒髪に海色の瞳をした美男子で、かなり遊んでいるらしい。
「エレノア、今日から婚約者としてよろしくお願いしますね」
にこやかに私に接してくるが、10歳の私と婚約することであと8年は遊べると思ったしょうもない男だ。
彼が婚約者として私を指名したことで、私は彼と2人きりと時を過ごさなければいけなくなった。
王宮の手入れされた庭園を、興味のない相手と行くあてもなく散歩する。
「私に気を遣わなくて結構です。今まで通り貴族令嬢への奉仕活動を続けてください。殿下が唯一国民に対してしている貴重な公務ですので⋯⋯」
私は皮肉を混ぜたような貴族の会話術が嫌いだ。
それでも、彼には言っておかなかればならないと思った。
「エレノア、あなたを知った瞬間から、私にとってあなたが唯一の女性です」
鳥肌が立つくらいの美しさで、レイモンドが私に語ってくる。
「ふふ、幼い少女が好きなのですか悪趣味ですね⋯⋯」
私は貴族令嬢が夢中になる彼に興味がない。



