「…す……わ、……くん…?」
抱きしめられてから、こうやって気づくの。
「あのさー。俺、つぎ謝ったらお仕置きって言ったじゃんか」
身体が硬直してしまう。
お互いに顔を見なくて済む策として須和くんが思いついた方法がこれだとするなら。
たぶん……だいぶ間違っていると。
「お、おしおき……」
「やっぱ覚えてない?いつぞやかに、俺は白山ちゃんに道案内されて助けられたんだけど」
覚えててくれたんだ……。
その日の話、今日まで1度もお互い出したことなかったのに。
忘れちゃってるよね。
覚えてるわけないよね。
また決めつけた私は、いつの間にか考えることさえしなくなっていた。
「そのあと荷物まで持ってくれて?世の中にこんなお人好しがまだ存在するんだって、俺びっくりしたよ」
高校生には見えなかった。
あのとき大学生くらいに見えるほど大人っぽかった彼は今。
私と同じ高校の制服姿をした、れっきとした男子高校生だった。



