「ルールは後デ配りまㇲ。まズは地図を見まショうネ」

 「ミナサマの教室ガアる三階は居住スペースにさせテイただきマしタ」


 すると、スクリーンに大きく地図が映し出された。そこには春風たちのクラスがある三階の地図も載せられていた。


 「…居住スペース?」


 「待ってこれ家に帰れない感じ?」


 居住スペース、即ち暮らす部屋のことだ。

 どうやら、今日のところは家に返してくれないかもしれない。

 ではないと、そんなスペースなどつくらない。

 本来の人狼ゲームは一日も掛からないはずだが、一日以上掛かるなんてどれだけ大掛かりなゲームになっているんだ。


 「ミナサマには一人につキ一部屋ご用意しテアリまㇲ」

 「四階多目的室ㇳ調理室は風呂デ、一階技術室ヲ食堂兼厨房ニ、保健室横の教室を売店に変更シましタ」


 まるでプレゼンテーションをするように、分かりやすく変更箇所を伝えられた。

 肝心な発表者は見えないのだが。


 「売店でㇵ人狼ゲームに使う特殊アイテムの他ニ、ペンやノート、上着なドノ日用品まで準備してオリまㇲ」


 そういえば保健室横の教室を売店にしたと言っていた。

 必需品があるのは有り難いが、それより人狼ゲームに使う特殊アイテム、というものの方が春風にとって気になっていた。

 一体、何なのだろうと妙に好奇心が湧いてくる。


 「アイテムについテはルールとトモに後ほドゴ紹介しまㇲ」

 「そノ他変更のなイ部屋は通常通りご利用していタダケまㇲ」


 三階を居住スペースとしたと言っていたが、本来三階にある国語科室や理科室、図書室などは利用できるのだろうか。

 居住スペースのサイズにも依るが、この人数だとかなりのスペースを要するはずだ。