「じゃあうちが確認してみるよ」
鈴縫はスマホを片手に操作すると、息をついて答えた。
「うーん、人狼同士はわかるみたいだよ」
「そうなんだ…ありがとう」
「人狼にとっては有利だよね。仲間が誰かわかるなんて」
霊野の的を得た発言に一瞬、部屋が静まり返る。
外から雨がザーザーと地面を打ち付ける音が聞こえてきてわかった。
あぁ、今日は天気が悪かったんだな。
「これってさ、自分以外の陣営を全滅させないと勝利にはならないんでしょ?」
「うん、ルールにも書いてあるし」
静寂の中、 早乙女梓 (さおとめ あずさ) は声を上げた。
早乙女は校則違反である、スカートの丈を短くしておりおしゃれに気を使っているように見える。
ワイシャツにネクタイやリボンを付けずにその上からセーターを重ねる姿も早乙女らしい。
「こんなこと言いたくはないんだけど…どの陣営が生き残るべきなのかな」
息を呑んでハッとなった。
周りもそうだったようで、また少しの沈黙が訪れていた。
「村人陣営の人数が多いんだから、そこ生かしたら?まだたくさんの人が生き残ってくれるし」
今度の沈黙を破ったのは 福村狐珀 (ふくむら こはく) である。
早乙女と同じくスカートを規定より短くしている福村はよく海本と行動している。
よく笑っているので楽しそうに見える。
「でも村人陣営って勝っても家に帰れないよね」
「あ、そうだった」
如月の指摘に福村はうーん、と頭を悩ませている。
「みんな無事に帰れないのかなあ…」
「それがベストだけど、そんな方法ある?」
「仮にあったとして、反抗的な態度とっただけで殺してくるマスターだよ?無理そうじゃない?」
「そう、そこが問題なんだよねえ」
猫羽が呟くも、現実的ではなく所詮願いでしかないようだ。
「難しそう」と口にした華麗州と鈴縫だが、腑に落ちなさそうに言うので二人も「みんなで無事に帰りたい」、そういう風に思っているのだろう。
