「なにこれ?」
先に教室に入った人たちがそう声をあげた。
気になって教室の中に入ると、黒板に張り紙が貼ってあった。
【二年生のミナサマ。シキュウ、体育館までお集まりくださいまセ】
確かになにこれ、と言いたくなるような内容だった。
それに加えて不気味さを感じる。
「えーっと、どうする?…行ってみる?」
「でもさ…正直、怖いよ。このせいで何かあったらって考えるだけで…!」
「気持ちはわかるし自分もそう思ってるよ。けど、ここでじっとしてても帰れないし。今はこれ以外何も方法がないんじゃないかな」
「ほら、ここ見てみてよ」
春風に向けて言った発言ではないが、春風は示されたところに視線を移す。
そこには、小さく文字が書かれていた。
【*校門から出て帰りたいカタ、先生方の行方を知りたいカタ、暇つぶしをしたいカタガタは集まることをオススメ致しまス。求めていることをお教えいたしましょウ】
なるほど。帰りたいなら体育館まで来い、ということか。
ならば、行かなくてはならない。
春風もクラスメイトたちも直感的に感じたのか、体育館に向かって歩みを進めた。
