「《ゲームマスターからのお願い》にモ書キマシたが、ワタクシに攻撃的ナ態度を取ッた場合は、このヨウ二即強制追放ㇳなりまスノで、ミナサマご注意ヲ」
「え…?今、何が…?」
今ある光景を受け入れたくないのだろう、犬飼が絶句したような表情をする。
周りも、仲間の突然の死に頭が追いつかない人や、友達が死んでしまい悲しんでいる人や、怒りが抑えきれないけれど殺されたくはないので必死に堪えている人、自分も殺されるのではないかとビビっている人がいたりと多種多様な反応をしていた。
「エーっㇳ、一、二、三、四…人狼ゲームは十九人デ、といウコトですネ」
十九人?もうそんなに減ってしまったのか。
さっきまであんなに人が居たって言うのに…もう三分の二くらいの人数しか残っていないのだと春風は頭を悩ませる。
さらに、人狼ゲームまで行ってしまうと十人生き残るかも分からない。
どっちにしろ、元通りの生活をすることはできないだろう。
「ミナサマの役職は明日ノ朝会でスマートフォンに転送しまㇲ」
「まア、今日はモう行事をすルにㇵ遅いのでワタクシは風呂の準備をしテオキますネ。終ヮったラソチらのスマートフォンに通達が行キマすから、地図を頼りに入浴しに来テクださイ」
あまりの衝撃展開に、今の時間など気付かなかった。
完全に下校時刻だったことを忘れていた。
本当なら今頃、友達と遊べていただろうに。
「となると、ゲームは明日からか…。気休め程度だけど、今日はもうみんな死なないんだね。良かった…」
隣でそう犬飼が安堵したように言っていたので、それに頷いた。
今日はとりあえず誰も死なずに生きていられる。
今日くらいはこれからのことを考えずに、いつもみたいにみんなと過ごせたらな。
