私なんかが神様のお嫁さんになりました


「杏様、白龍神様が支度を整えたら大広間に来るよう仰っています。すぐに着替えを致しましょう。」

女性が杏を呼びに来たのだった。
杏は先程お会いした白様のお母様の優しさに少し緊張がほぐれていたが、女性の声を聞いて再び緊張するのだった。

着物を着換えて髪を結い上げた杏は、女性達に手を引かれて大広間へと向かった。

大広間に到着し、女性が声を出そうとしたその時、杏は女性を止めた。

「あの…少しだけ…心の準備をしてもよろしいでしょうか…。」

「はい、杏様の準備が整うまでお待ちしていますね。」

杏は大きく3度ほど息を吐くと、自分の頬を両手でパンパンと叩いた。

「もう大丈夫です。お願いします。」

女性は杏の言葉を聞いて大広間の中に声を掛けた。

「お待たせいたしました。杏様が参りました。」

女性達がゆっくりと大広間の襖を開けた。
すると、中には白様、そして先程お会いした白様のお母様と思われる美しい女性、そのお隣には崇高で尊いと言う言葉がまさにぴったりとくる男性が座っていた。
おそらく大神様と呼ばれる白様のお父様だろう。
そして、少し離れたところに座っていた女性に目を向けると、その輝きで目が眩むような美しい女性がいた。
この方がおそらく豊穣姫だろう。

杏は緊張で足が竦み動けなくなってしまった。

「…あの…お初にお目にかかります…私は…」

杏の緊張に気づいた白様は、急ぎ立ち上がると迎えに行くように杏に近付いた。

「…杏、緊張させて悪いな…大丈夫だから、一緒においで。」