私なんかが神様のお嫁さんになりました


しかし、皆が杏の無事を喜んでいるところを遠くから鋭い目で見ている者がいた。

その者は白様と同じように美しい容姿を持つ男性の姿をしている。
白様は深い赤の瞳をしているが、その者は透き通るような青い瞳だ。

杏を見ながら独り言を呟いているようだ。

「…なぜ、あんな人間の娘を嫁に迎えるのだ…俺は認めない。」

青い瞳の男はしばらく杏たちの様子を見ていたが、杏が他の妖と話をしている隙に白様へ近づいて来たのだった。

「兄さん、無事のお戻りなによりです。」

青い瞳の男は白様を兄さんと呼んでいる。
どうやら白様の弟の青龍神のようだ。

「おぉ、青よ来ていたのか、久しぶりだな。」

青龍は少し不機嫌そうに白様へ話を始めた。

「兄さんが人間を嫁に迎えたと聞いて駆けつけたんだ。もちろんなにかの冗談だと思いましたよ。しかし来てみたら本当にあの娘を嫁にするつもりなのですか、兄さまならもっと素晴らしい嫁が選び放題だというのに…」

白様は青龍をまっすぐに見た。

「青、お前はまだ杏の事をなにも知らないであろう。それなのに勝手な想像で杏を悪く言うのは止めてくれ。」

「兄さん!あんな小娘より龍神族や神々の女性のほうが兄さんには似合っている。それに人間なんかでは龍神族にとってなんの得にもならないじゃないですか。」

白様は珍しく厳しい表情をした。

「それ以上言うでない!いくらお前でも杏を悪く言うのは許さないぞ。」