私なんかが神様のお嫁さんになりました


白様が小屋の前に立ち、木造の扉に向かって手を差し出した。
すると小屋の戸はバンという音とともに一瞬で吹き飛んだのだった。

小屋の戸が無くなると、そこには驚いた表情の杏が立っていた。

「杏、無事であったか…遅くなり悪かった。心細かったであろう。」

「白様!」

小屋から出て来た杏を白様はたまらず引き寄せて抱きしめた。

「…杏、無事でいてくれて本当によかった。」

「白様…そして妖の皆さん、来てくださりありがとうございます。」

すぐ後ろに控えていた妖の鈴も近づいて来た。

「杏様、ご無事でなによりでございます。私が付いていながら申し訳ございません。」

謝る鈴に向かって杏は笑顔を向けた。

「鈴様、ご心配をお掛けしてごめんなさい。私が鈴様に術を解いてほしいとお願いしたのです。鈴様はなにも悪くなんてありません。」

白様は妖たちの方を向くと皆に向かって笑顔を見せた。

「杏も無事であった。さぁ皆で家に戻ろうぞ。妖たちよ感謝する!」

その時、杏は白様を引き留めるように声をあげた。

「白様、…この小屋の中に沢山の人の物と思われる骨がありました。…せめて土に埋めてあげたいのです。」

白様は杏に向かって頷くと、中指と人差し指を唇に当てて小屋の中に向かってなにか呪文のような言葉を呟き始めた。
すると小屋の中から骨たちがつぎつぎと空を飛んで出てくると、土の中へと骨は自分で入って行った。
そして空に向かってキラキラとしたものが昇っていくのが見えたのだった。
恐らくこのキラキラしたものは人の魂や想いではないだろうか。
杏は空へ向かって手を合わせ目を閉じた。

「杏。皆が安心して天の国へ行けるようにしたぞ。皆が杏に感謝しているぞ。」

「天の国で幸せになって欲しいです。ありがとうございます。」