私なんかが神様のお嫁さんになりました


白様は紗代を見ることなく、父親に声を荒げた。

「杏をどこに隠したのだ!」

父親は白様と目を合わさずぼそぼそと何か呟いた。

「…杏は山の中で、まだ生きているとは思うが時間の問題だろう。」

白様は父親の両肩を掴んだ。

「今、なんと言ったのじゃ…まさかお前は実の娘を山の中に置いて来たと言うのか!」

次の瞬間、白様はすぐに踵を返して駆け出していた。
父親達が何か引き留めようと叫んでいたが、白様は振り向こうともしなかった。

そして白様は空に向かって手を振り上げて妖たちを呼んだ。

「空を飛べる者はすぐに山へ行き、杏を探してくれ。、走れるものは山の奥に向かって走ってくれ。」

すると、どこから現れたのか翼のある妖たちは一斉に山の中に飛んで行った。
そして虎や犬のような妖は山の中へと走り出した。