私なんかが神様のお嫁さんになりました

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夜になり白様がお屋敷に帰ると、女性達がすぐに白様の所へ駆け寄って来た。
泣きそうな表情の者や、おろおろと慌てた様子の女性達。
白様はすぐに何かあったのだと気づいた。

「…どうした…何があったのだ!」

すると女性が頭を下げながら話し始めた。

「申し訳ございません。私達が付いていながら…杏様を父親が家に戻すと強引に連れ出してしまったのです。」

「…なんということだ。すぐにあの家に向かうぞ。」

白様は急ぎ財前家に向かった。
なにか嫌な胸騒ぎもする。

白様が財前家へ着くと、待っていたかのように家の戸を開けて父親と義母が出て来たのだった。
気持ち悪い程にニコニコと笑顔を向けて来たのだ。

「白龍神様、お待ちしておりました。さぁ、お入りください。」

白様は父親たちの言葉に大きく首を横に振る。

「中には入らぬ。ここでよい。それより杏を早く呼んできてくれ。」

父親は白様に向かってさらにニヤニヤと薄気味悪い笑い出した。

「白龍神さま…我が家には杏以外にも娘がおります。杏は何もできない能無しですが、妹の紗代は小さい頃より神社の巫女となれるよう学ばせております。どうか紗代を嫁に迎えては頂けませんか?」

父親は家の中から紗代を呼び出した。
紗代はここぞとばかりの着物や簪をつけて化粧までして現れた。
紗代は恥ずかしそうなそぶりで下を向いたと思うと、白龍神様を上目づかいで甘えた表情をする。

「白龍神様、私が紗代でございます。先日お姿を拝見してからずっとお慕いしておりました。」