「あ、幼馴染なんだね。」
納得したと言えばしたし、してないと言えばしてないような感覚…。
「憐斗!!バラすな!!いいか?お前、今日うち来い。絶対だからな!」
そう言って田荘は勢いよく鞄を持って廊下に出て行った。
て言うか、なんか地味な田荘って言うか、元気な田荘って感じ?がした。
「はぁ〜、あいつ……。まーた帰った。
ごめんね、御藤さんも竜胆も。」
全然藤宮くんは悪くないのに田荘が勝手にキレただけなのに、謝るんだ…
藤宮くんは優しいって、少し話しただけでわかった。
「ううん。大丈夫だよ、私も田荘くんが聞かれたくないこと聞いちゃったから。
ごめんなさい。」
本当は私は自分が悪いなんて一言も思ってないけれど、謝った方が私の株が上がるからね。
「御藤さんは優しいんだね。
放課後、疾多のところ行くから、その時御藤さんも謝ってたよって伝えとくね。
本当にありがとう!」
ガタッ
「あっあの!わ、私もあ、謝りたい…。
だから、私も家着いて行っていいかな?」
正直言って、自分がこんな提案をするなんて思ってもいなかった。
自分でも驚いていた。
「え!?さーちゃん!!
疾多くんのお家行くの!?」
やっぱり。
菜生もびっくりしている。
自分自身もびっくりなんだよ〜!!
「え!?いいの…?
ありがとう!心強いよ…!!
じゃあ、放課後一緒に行こっか!」
そう言って、藤宮くんは自分の席に戻って行った。


