朝の学活が終わって、私に1番に駆け寄ってきたのは、昔からの幼馴染、竜胆菜生-リンドウナナセ-だった。
「菜生、久しぶり。」
私は菜生がいるからこの学校に転校してきた。
「さーちゃん!久しぶり!!」
元気な菜生は相変わらずでほおが緩む。
そんな時、田荘のところへ一直線に向かってくる人がいた。
そして、謎に菜生に話しかける。
「竜胆。御藤さんが竜胆の言ってた幼馴染の方?」
あ、菜生私のこと話してたんだ。
「そうだよ〜!!
さーちゃん!この人は憐くん!!」
れ、憐くん…?
え、どちら様…?
「ちょっ!!竜胆!あ〜えーっと、御藤さん、初めまして。藤宮憐斗-フジミヤレント-って言います。クラスメイトとして、よろしくね。」
あ、憐斗だから、憐くん、ね。
菜生らしいわ。
「藤宮くん、よろしくね。」
この人はなんだか菜生のことが好きみたい。
菜生を見る目が少し優しい。
「あっ!で、さーちゃん!!さーちゃんの隣の人が田荘疾多-タドコロハヤタ-くん!!」
急に、勝手に紹介されて焦っている田荘。
疾多って言うんだ。
「はぁ!?疾多!御藤さんに名乗ってなかったのかよ…。」
藤宮くんは田荘のことを疾多って名前呼びなんだ。
「へ?いいだろ、べ、別に。憐斗みたいに上手く喋れないんだよ。」
田荘も藤宮くんのこと憐斗って呼んでるんだ。
2人とも真逆そうだけど仲がいいの…?
「あ、えっと初めまして。田荘疾多、です。」
名前だけ言って、またすぐにそっぽを向いてしまった。
「ごめんね。なんか人見知りって言うか、人と喋り慣れてないって言うか……。」
藤宮くん、田荘のことが心配なのかな。
「あの、藤宮くんと、田荘、くん?は仲がいいの?」
純粋に気になったことを聞いてみた。
「あ、うん!俺と疾多は幼馴染なんだ。
家が隣で。」
まさかの幼馴染ポジションだった。


