【一般公開開始】子犬系男子の距離感がバグりすぎてて困ってます!

私は息を呑み、日照くんを真っ直ぐに見つめた。


「……あ、うん、実は日照くんに、ちょっと聞きたいことがあって」


「?聞きたいこと?」


日照くんは不思議そうに、くりっとした瞳で私を見つめ返した。


朝から学校中で大騒ぎになっているウワサに、


まさか目の前の可愛い後輩の名前が挙がるなんて思わなくて、


私はほんの少しだけ言葉を濁らせる。


「あのね、怒らないで聞いてほしいんだけど……」


「え?何すか、先輩、改まって。俺、先輩に怒ることなんて滅多にありませんよ?」


いつもの明るい満面な笑顔で、距離を詰めてくる日照くん。


私はギュッと拳を握り、意を決してその核心の名前を口にした。


「日照くんが流したの……?あの噂」


「っ、」


日照くんは思いがけない私の言葉に、くりっとした大きな瞳を驚いたように大きく見開く。


まさか、ウワサの張本人として自分の名前が挙がるなんて、


夢にも思っていなかったみたいに。


「あ、それは…、流したというか、何て言うか…。


友達に2人のこと言ったら何か、勘違いされちゃって」


日照くんは本当に申し訳なさそうに、眉を下げてしゅんとした顔を私に向けた。


まるで、自分のせいで私を困らせてしまったと、本気で落ち込んでいる子犬みたいに。


「俺、ただ『最寄り駅のホームで夜光先輩と昼仲先輩が一緒に歩いてるの見たよ』って、


部活の着替え中に普通に友達と話してただけなんすよ……。


それなのに、あいつらが勝手に騒ぎ出しちゃって……」