「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 高平たちと珠子に電話をかけていたとき、

『今度会いに行けばいいだろう? 高平』

 そう言ったが、ほんとうは、
『会いに来ればいいだろう?』
と言いたかった。

 だが、そこまで俺は珠子と近しいか? と思ってやめたのだ。

 今はまだ、血のつながりのある高平の方が珠子に近い、そう思い、『会いに行けば』という言葉を選択したのだ。

 池田が珠子を所持しているという状態はまだ変わっていない。

 だが、もうちょっと彼女の近くに行きたい。

 そう晃太郎は思っていた。