「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「それで、なんで昨日、渋い顔してたんだよ」

「まだ彼女をどう思っているかよくわからないのに。
 彼女を好きにしていいなんて、この状況おかしくないか?」

「いや、見合い結婚だって似たようなもんだろ。
 ひどいときは、見合いもなく、式当日に初めて会う場合だってあるんだし。

 ともかく、時間がないのなら、早くした方がいいぞ」

 池田の気が変わらないうちにな、とけしかけるように言い、ははは、と笑う高平は、

 今、まさに晃太郎に好きにされようとしているのが、生き別れになっている自分の妹だとは知らなかった――。