「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「実は、家族から、そろそろ身を固めろと言われてて。
 それを聞いた池田が、その前に女性に慣れろと……」

 ほほう、と高平は笑う。

「じゃあ、その女性とはお前の結婚までの期間限定のお付き合いということか。

 それとも、結婚してからも、妾として囲うのか?」

「いや――」
と晃太郎は言った。

 珠子以外の女性と結婚し、彼女を別の場所に愛人として囲うなんてありえない。

 じゃあ、どうするつもりなんだと問われても、まだよくわからないのだが。

 ともかく、珠子をそんな日陰者のような扱いにするつもりはなかった。

「まあ、池田がそろそろ返せと言ってくるかもしれないしな」

 どきりとしてしまう。

 確かに、その可能性はある。