「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 


 次の日、外務省の前の道で、高平が待っていた。

「どうした?」
と晃太郎が言うと、

「待ってたんだよ」
と渋い顔で言われる。

 いや、なんでだ?
と思っていると、並んで歩きながら、高平は訊いてきた。

「それで、どうなったんだよ」
「は?」

 昨日の話だ、と高平は言う。

「池田の家の女中となにがいろいろあったんだ」

「いや、女中じゃない。
 池田があいつの家の執事が囲っている女性をひとり紹介してくれたんだ」

「……あいつ、俺には紹介しないぞ」

「お前に女性の紹介の必要はないだろ」
と晃太郎は、常に華やかな噂の絶えない友人を見る。