「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 どうしたんだっ、岩崎っ。
 いきなり、すごい自信だなっ、
と思ったが、

「主従関係みたいなもんだから」
と晃太郎は更に顔を渋くして言う。

「待て。
 どういう状況?」

 昨日と同じに並んで歩きながら、高平は訊き返した。

「もしかして、あれか。
 彼女は、お前の家の女中とか?」

「俺の家の女中じゃない。
 どちらかと言うと、池田の家の――」

「……なんで、池田の家の女中とお前に主従関係があるんだよ」

 話が一気にややこしくなってきただろ、と高平は言う。

 二人とも、池田とは東京帝国大学で一緒だった。

「まあ、ちょっといろいろあって――」
と晃太郎が言ったところで、外務省の門まで来ていた。