「それにしても、お父様。
よく返り咲けましたね」
春日丸から降り、次郎と別れたあと、珠子は両親と門司港の料理屋で食事をしていた。
日本酒をきゅっとやったあと、珠子の父、二郎は言う。
「ほう。
どうやって、私が金を取り戻したか聞きたいか」
「ええ」
今後の店の経営の参考に、と思い、珠子は言った。
「まず、金持ちのふりをして金を借り……」
「あ、もういいですわ、お父様」
「いやいや。
そのあとは、順当にちゃんと増やしていったんだぞっ」
「はじまりがいけませんわ……」
そのあと、晃太郎がやってきて。
あの話、晃太郎がいるときに振らなくてよかった、と珠子は思った。



