「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」




「素敵だよ、珠子さん」

 次郎の一等室で着替えさせてもらった珠子は、すとんとしたワンピースに近いドレスに大きなリボンのついたハットを被っていた。

 日本ではまだ、バッスルスタイルの腰の辺りがゴテゴテしたドレスが流行っていたが、船内にいる異国の女性たちのドレスはもっとすっきりとした感じだ。

 なので、次郎の妹のものだというこのドレスは、この場によく馴染んでいた。

 妹さんは流行りに敏感でセンスがいいんだな、と珠子は思う。

「珠子さんは背も高いし、腰が細くて脚も長い。
 ドレスがよく似合うよね」

 そう言い、次郎は笑っていた。

 ドレスの丈は、珠子が着ても充分なほどだった。
 おそらく、次郎の妹は長身なのだろう。

 まあ、次郎さんも大きいもんな、と珠子は思う。