「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」



 晃太郎はカレーライス、珠子はカツレツを食べていたが、珠子がふと思い出したように言う。

「そういえば、カレーって、昔はカエルの肉だったらしいですね」

「……今、言うな」
と言うと、珠子は笑う。

 テーブルの上にあるランプに照らし出された、その花のような笑顔を見ながら、晃太郎はふと呟くように言っていた。

「お前は美しいな」

 珠子がナイフを落とす。

「何を持って、人が人を綺麗だと判断するのか、俺にはわからないが。
 俺の感覚だと、お前は綺麗だな」

 池田は趣味がいいようだ、と言って、

「だから、池田様にはお会いした事はありません。

 あと、あの……
 実はあなたが熟練の達人なのではっ?」
と言われ、

「だから、なんの熟練の達人なのだ」
と晃太郎は答える。