ある日、仕事終わりに外務省の前で、晃太郎と高平が、 「一杯やってくか?」 「いや、今日は珠子のところに行くから」 などと話しているところに、池田家の車が猛スピードでやってきた。 晃太郎たちを見つけて止まると、池田が後部座席から顔を出す。 「岩崎っ、高平っ。 珠子さんが攫われた!」 突然の展開についていけず、は? と訊き返した高平は、 「お前が攫ったんじゃないのか」 と言う。 「いや、たぶん次郎さんが――」 「次郎さん、何処から出てきたっ!?」 と高平がまた叫ぶ。