「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「なにも買ってくださらなくていいのです。
 晃太郎様と来ただけで、なんだか楽しいので」

 俯き照れ合うこの二人の会話が聞こえていたら、次郎も莫迦莫迦しくて割り込む気もしなくなっただろうに。

 残念ながら、遠く高い場所から見ている彼らには、どちらの声も聞こえてはいなかった。