「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「うちの妹は高平に一度会ってメロメロだ。
 なんか悪い感じするのがいいらしい」

 ……それは止めてあげてください、と思ったとき、次郎が、
「よしっ」
と言った。

 愉快な従兄ではあるが。

 この男が、よしっ、と言ったら、ロクなことがない。

「妹を嫁にもらえば、あの小生意気な高平も俺に頭が上がらなくなるなっ。
 もらおう!」

 なにレストランの追加メニューみたいに!

「あと岩崎はなんだかんだで恵まれすぎててすかん!
 もらおう!」

「いや、それ、人から見たらあなたもですよっ!」
と言ったが、次郎は聞いていない。

「今話しかけるか。

 いやいや。
 いろいろ手を回してから、話しかけるか」

 次郎は楽しげに買い物をしている珠子たちを見ながら、怪しい算段をしている。