「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 押しの強いこの性格も人によっては魅力的に映るらしいし。

「おおっ。
 美しいな。

 如何にも深窓のご令嬢と言った感じだ」

 いや、ピストル持ってるうえに、それを使わず、男を投げ飛ばすけど……。

「なんで、岩崎晃太郎といるんだ。
 お前の妾じゃないのか」

「……岩崎に貸したんだ」

「じゃあ、返してもらえよ」

 簡単に言うなあ……。

「貸したものを返してもらうのは当たり前だろ?
 それにしても、珠子さん、素敵だな。

 色気はないが、知的で品がいい」

 そうだ、と次郎は手を叩いた。

「お前が引くのなら、俺がもらおう!」

 ――いや、なんでそうなるっ!?

「彼女は高平の妹ですよ」

「そうなのか。
 どうりで美しい」
と次郎は目を細めて珠子を見る。