「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「あっ、珠子様っ。
 お久しぶりですっ」

 緊張した面持ちで返事をしてくる娘たちに、珠子は微笑んで言った。

「私がその古書店の女なのですが。
 最近、神田の外れで古書店などやってますのよ」

「……も、申し訳ございません」
と娘たちは青くなる。

「そ、そうですか。
 趣味で古書店をやってらっしゃったのですか、さすがです」

 なにがさすがなんだ……。
 ばっちり生活のためにやっていると思うが、という顔を晃太郎はしていたが、なにも言わなかった。

「あら、珠子様っ」
「善子様、お久しぶり」

 いつものように山内を従え、善子が現れた。