「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 静かに晃太郎が本を眺めているので、珠子も自分の店の本ではあるが、普段、興味はあっても、じっくり見ることのない棚を眺めた。

 父が仕入れた本を懐かしく見つめる。

 二人で黙っていても、充実したいい時間だった。

 だが、ふと、晃太郎が口を開く。

「休みに二人で何処かに行かないか?」

「あ、はい」

「お前の行きたいところに行こう」

 何処でもいいからか考えておいてくれ、と晃太郎は言う。