「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「ピストルを持っているとか広まったら、ピストルを狙った強盗とか来ないかしら?」

「なにそれ。
 強盗がピストル持って、ピストル寄越せって来るとか?

 ――ああ、こんばんは、晃太郎さん」
と西の方を見て、祥吉は言った。

 夕日を背にして、晃太郎がやってくる。

 眩しさに目を細めて見ながら、晃太郎さんはシルエットだけでも格好いいなあ、と思ってしまった、

「おっと。
 たまには本でも買おうかと思ってきたけど。

 お邪魔になっちゃいけないから、帰るよ」

 またね、と祥吉は行ってしまう。

 いや、本は買っていって、と思いながら、珠子は見送った。

 晃太郎が、
「商売の邪魔をしてしまったな」
と言う。

 いえいえ、どうぞ、と晃太郎を奥へ通そうとしたが、晃太郎は、ちょっと本を見ると言う。