「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「あれは私の隠し技ですから。
 広まらないようにです」

 珠子は、ふふふと笑う。

「広まった方が怪しい男たちが近づかなくていいと思うが」
と晃太郎は言っていたが。

「怪しい男たちって、お前たちを含めてか」

 晃太郎たちが連絡したので、高平が急いで駆けつけてくれたようだった。

「お兄様」
「今日はさすがに中に入れよ」
と晃太郎は言ったが、高平の家に義理立てて、高平は、いや、と言う。

 珠子は、
「でも、ここからなら、勝手口ですから。
 表から堂々と入ってきたわけでもないですし」
と兄に言った。

 まだ犯人を捕まえた勝手口にいたのだ。

「まあ、そうだな。
 じゃあ」
と高平も入ってくる。

 珠子はみんなにお茶を入れに台所に立った。

 晃太郎は高平に()われて詳しい事件の話を説明していたが、池田は台所までやってきた。