「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 


 強盗は二人組だった。

 アニキ分の男が、
「俺が先に行く」
と抑えた声で言い、外から勝手口の古い戸を揺らして、(かんぬき)を外した。

 コツがあるらしい。

 そっと戸を開けたアニキだったが、すぐさま額にピストルを突きつけられ、

 きゃあああああああっと少女のような悲鳴を上げる。

「くそっ。
 やはり、用心棒がいたのかっ」
とアニキは叫んだが、アニキの額にピストルを突きつけていたのは、天女のような美しい女だった。

 蔑むようにこちらを見ている。

「……こんなあばら屋敷に、何故、泥棒に入りました?」

 低めの声で天女が訊いてくる。