「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「いや、来たはいいが、遅い時間なんで。
 顔は見ずに帰ろうかなと」

「僕もだ」

 そう言い合ったあと、二人で、ぼんやり、灯りのついていない古書店を見つめた。

 だが、そのとき、

 きゃああああああっ、
と絹を裂くような男の悲鳴が古書店の奥の方で上がる。