「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「お兄様、珠子様と行ってらしたんですかっ? 博覧会。
 次は燁子も一緒に行きますわっ」
と話が混沌としてきたとき、後ろから池田の声がした。

「珠子さん、そろそろ帰ろうか」

「あ、はい」

 では、これで、と笑顔で去っていく二人をみんなで見送る。

「珠子様っ、今度、古書店に伺いますわっ」
と話を聞き足りないらしい娘たちが手を振り、珠子に言っていた。

 晃太郎は、池田と帰っていく珠子の姿を見ながら、

 ……これが本来の形だったんだよな、とちょっと寂しく思っていた。