「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 


 いつ間にか人が集まってきて、みんなが珠子に池田とのことを訊いていた。

「そうなんです。
 それで、両親がいなくなったあと、私を助けてくださったのが――」

「池田様ですのねっ」
と珠子の後輩だという少女が祈るように手を合わせて言う。

「執事の黒崎さんです」

 ……まあ、確かに。

「そういえば、珠子様、この間、大阪の博覧会にいらしたとか」
と別の子に言われ、珠子が、

「はい。
 楽しかったですよ。

 急に連れていっていただけることになったんですが、期待以上でした」
と語ると、その子は夢みるような顔で珠子に言う。

「では、その博覧会に連れていってくださったというのが、池田様ですのねっ」

「いえ、岩崎様です」
と珠子がこちらを手で示した。

「……池田様は何処に登場なさるんですの?」