「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 


 珠子が池田といるっ。

 いや、二人が一緒にいることはわかっていたのだが。
 意外に似合っていることに晃太郎は衝撃を受けていた。

 二人とも少々のことがあっても動じない雰囲気があるのだが。

 そういう世間一般から、一歩引いているような空気感がとてもよく似ていた。

 黒崎さんは見る目があるな、と思ってしまう。

「お兄様っ」
と燁子がウキウキした感じに言ってくる。

「前田様のパーティは、招待客まで素敵ですわ。
 あのお兄様のお友だちの池田様、とても素敵な方といらっしゃいますわね。
 
 婚約者の方でしょうか?」

 私、お友だちになりたいです、とうっとり珠子を見ながら、燁子が言ってくる。

 ……燁子。
 その人がさっきお前が、どんな女か見極めてやると言ってた人だよ、と晃太郎は思っていたが。

 それをこの場で言うことはできなかった。

 小姑目線でなく、珠子を見た燁子はかなり珠子をお気に召したようだった。