「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

「お兄様はほんとうに西洋の絵本の王子様みたいですわよね。
 ……お兄様のお嫁さんになる方はどんな方かしら?

 おじさまたちが勝手に決めようとしてるみたいですけれど」

 おじが勝手に決めようとしていた婚約者は勝手に去っていったようだが……。

 晃太郎と手をつないで歩きながら、燁子は言う。

「どのような女か、わたくしがじっくり見極めて差し上げますわっ」

 ……この年にして、立派な小姑。

 はは、と晃太郎は苦笑いしながらも、小さな妹をエスコートした。