「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 



「晃太郎さん!」

 仕事が忙しく、晃太郎が珠子の家を訪れたのは、二日後だった。

 夕方なのに、小太郎が走ってやってくる。

「晃太郎さん。
 珠子さん、牛乳飲んでないみたいなんだよ。

 ずっと外に置きっぱなしになってて」

 もう腐ってると思って、回収して捨てたと小太郎は言う。

 そもそも、この頃の牛乳は殺菌が完全でないものが多く、腐りやすかった。

「昨日もだったんだ。
 珠子さん、晃太郎さんのところに行ってるのかと思ってた」

 そう小太郎が言ったとき、新聞配達の祥吉(しょうきち)が現れた。

 彼も心配して様子を窺っていたようだ。

「新聞も溜まってたんだ。
 留守だとバレたら物騒だからと思って、持って帰ったんだけど」

 小太郎が言う。