「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 



 恵比寿のビヤホールから帰った珠子は電話が鳴っているのに気がついた。

 慌てて奥へと走る。

 晃太郎は高平と家の前まで送ってくれて、もう帰ってしまっていた。

 ――お父様だろうか?

 だが、電話に出ると若い男の声がした。

「やあ、珠子さん」

 この声。

 そして、この電話番号を知っている人と言えば――。

「……池田様?」

「珠子さん、借りを返してもらう時が来ましたよ」
と池田は笑う。