「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 晃太郎は回転している馬を見ながら言う。

「快回機はもともとはフランスで騎兵の訓練用に作られたものらしいぞ」

「それで馬なんですね」

 いや、訓練とか言われると、背筋が伸びてしまうではないですか、と珠子は思う。

「……高いところは確かに得意ではないが」

 いきなり晃太郎はそんな告白をはじめた。

「さっきの大林高塔とか、浅草の凌雲閣とか。
 すごく高いものは苦手なんだが、ウォーターシュートとか、自動鉄道(ローラーコースター)とかは平気だ」

「自動鉄道、上野であった博覧会にもありましたね。
 うっすら記憶があります」
と珠子が言うと、

「そうか、お前も行っていたのかっ。
 何処かで会っていたかもしれないなっ」

 運命だっ、と晃太郎は言うが、

 ……まあ、すごい人でしたからね、今回みたいに。

 いてもわからないですよね……と珠子は思っていた。

 小さなかったので、そんなには覚えていないが。