「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 


「なんか足がフラフラしますねっ」

 船を降りた珠子が頼りない足取りで歩き出すと、晃太郎が手を貸してくれた。

「あ、ありがとうございますっ。

 楽しいですね、ウォーターシュート!
 また乗りたいですっ。

 あっ、でも……」

 ウォーターシュートの料金は、この博覧会の料金と同じくらいする。

「いいぞ。
 お前が気に入ったのなら、また乗ろう」
と晃太郎は言ってくれるが、珠子は断る。

「いえ。
 時間もないですし。

 他のところも見てみたいのでっ」

 振り返ると、今の乗っていた船が電気の力で上に引き上げられていくところだった。