ウォーターシュートは工業館の東北部、陸橋が架けられた茶臼山に設置されていた。
乗客は小さな船に乗り、高さ四尺の屋上から池に向かって勢いよく滑り下りるのだ。
水飛沫が跳ね上がり、客たちは歓声を上げている。
乗れるのは、一艇につき、八人。
珠子は並んでいる人の数を数え、
「そろそろですねっ」
とわくわくを抑えきれない顔で言った。
「ああ、これはいいな」
と言う晃太郎は全然よそを見ている。
何処かに素敵な女性でも?
と思ったが。
晃太郎はウォーターシュートの水飛沫を浴びながら楽しげにこちらを眺めている池のほとりの客たちを見下ろしていた。
「よし、大丈夫そうだ」
……なにがですか?



