「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 




 博覧会の会場前はすごい人だった。

 西洋風の門の上にはドームのようなものがのっている。

 大きな噴水もあって涼しげだ。

「珠子、まず何処に行きたい?」

「そうですねえ。
 ウォーターシュートとかっ。

 快回機(メリーゴーランド)とかっ」

 わくわくを隠さない珠子を晃太郎が目を細めて見たとき、
「あれ~、岩崎じゃないか」
と声がした。

 見ると、色白で、すっと整った顔の男が立っていた。

 洋装がサマになっている。

 だが、晃太郎は彼を見て、何故かギクリとした顔をしていた。