「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」

 



 三人で食堂車に行き、食事も楽しんだ。

 この食堂車は一・二等旅客専用で、精養軒が運営している。
 なので、もちろん、西洋料理のフルコースだった。

「珠子さんは三条家の方なんですかっ」

 話題の流れで隠しきれずに教えると、中山翁は驚いて言う。

「それはいい縁組だ」

 ……そうですね。
 他の三条の一族なら。

 うちの父は夜逃げ中なんですが。

「いや~、元公家の家でも、家計は火の車、みたいになっているところも多いようではありますが――」

 まさに、うちがそうですよっ。
 いえ、父が山師みたいなせいなんですがっ、
と珠子が心の中で思っていると、晃太郎は、

「……時折、珠子と私では釣り合わないかなと思ったりもするんですが」
と言い出した。