僕の愛しい泥棒娘

ついでに店の方も貸主に買い取りたい旨を、
伝えてこちらは前に聞いていた通りの金額で
買う事ができた。

そうして手続きが終わった時にアウスレッド
がまた店にやって来て、公爵家に招待したい
と言ってきた。

ユミアは平民なので何もマナーなど知らない
から公爵家にはいけないと固辞したが、公爵
夫妻がどうしても直接お礼が言いたいと言っ
ているので、1週間後に迎えの馬車が行くと
言ってアウスレッドは強引に決めてしまった

その2日後にはユミアの元にドレスや靴まで
届いてしまったので、着ていく服がないとい
う言い訳も通らなくなってしまい、ユミアは
行くしかなくなった。

それなら、公爵家の皆様にお土産を持ってい
く事にしたユリアは、クッキーやマドレーヌ
を作った。

猫を型どったものとココアをまぶして茶色に
したものと組みあわせて肉球をイメージして
作ったクッキーは、店の人気商品なのだが、
今日はマドレーヌを焼いてみた。

サリーヌに味見させると、こんなの食べた事
がないと言って喜んでいたので大丈夫だろう
この世界にはスポンジケーキはあるのにマド
レーヌはないのだ、クッキーもあるがアイシ
ングクッキーはない。

そこでお土産にはマドレーヌとアイシングク
ッキーを持っていくことにした。

3色のアイシングを使って丸く焼いたクッキ
ーに色々な模様を描いた。

アイシングをすると日持ちがあまりしないの
で2日後くらいには食べきってもらわなけれ
ばならない為全部で１０枚位にしておいた。