悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

「お金で買えないものなんていくらでもある。それに気づけていないなんてあんたもまだまだ脇役だね」


向こう側から黒岩がやってくるのが見え、ソファから立ち上がる。


「さよなら、わがまま御曹司」


にこりと爽やかな作り笑顔を見せてから、凛太郎に背を向けて歩き去る。

私の本当にほしいものは、いくらお金を積んだとしても手に入らない。

それはきっと死ぬまでずっと、手に入らないだろう…。



「宝槻。おまえが望むものはなんでもやるよ。何がほしい?」

「…はあ?」


帰る支度をしていると、突然私の教室にやってきた凛太郎がなぜか机の前に立ち塞がってきた。


「何の話?」

「この俺がおまえのためにならいくらでも使ってやるって言ってるんだ。こんな光栄なことなかなかないぞ」


さっきからこの人は何を言っているのだろう…?


「なに?」