悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

「…あんたに何がわかるの」

「さあな。おまえの気持ちなんてわかんねぇよ。まあさっきのは、見てて気持ちのいいものだったけどな。やっぱ噂もあてになんなぇな。噂に振り回される気持ちくらいなら、誰よりもわかるぜ」


凛太郎は学校でそこそこの有名人だ。

ヒーローのうちの一人っていうのもあるけど、乃愛よりもお金持ちで身につけているものもいつだって高級で、その性格はわがままで傲慢。

表面上は凛太郎を囲んで仲良くしている人たちも、裏では凛太郎のことを“わがまま御曹司”と呼んでバカにしている。


「金持ちが羨ましいんだろ。成績上位をキープするためにこっちは必死で勉強してるっていうのに、親金で常にトップなんだとか、目をつけられたら金で頼んだヤクザにボコられるとか。くだらない噂ばっか流しやがって。俺のために親がそんな金を使うわけねぇのに」


凛太郎の両親については小説であまり触れていなかったけど、こいつもこいつなりに苦労しているのかな…?


「だから舐められねぇように金持ちアピールをずっとしてるわけ。噂を信じてるやつらは俺をちやほやしてくれるからな。俺に敵意を向けていてもちょっと高いものをやるとコロっと味方になるんだぜ。金で買えないものはこの世にないんだよきっと」

「…ふっ、バカじゃないの」


凛太郎も、乃愛に似て孤独な存在なのかもしれない。


だけど凛太郎には美雨がいるから。

彼女と出会うことで孤独だった日々が少しずつ変わっていく。救ってくれる人がいる。

それなのに悲観的になるのはなんとも馬鹿馬鹿しい。