悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

「…放っておけばいいのに。あんたみたいな人は、私みたいな悪女が一番嫌いでしょ?」


曲がったことが大嫌いな真っ直ぐな性格をしている雷は、乃愛に対しても真っ直ぐに嫌いだと伝えていた。


–––「弱いものいじめをしてまで目立ちたいとか、最悪だな」

–––「いい加減幼稚なことはやめろよ。美雨のことこれ以上傷つけるなら俺が許さない」

–––「おまえみたいな悪女が一番嫌いだ」


乃愛と同じクラスだからこそ、乃愛の汚い部分もたくさん見てきて知っている雷だから、ヒーローたちの中でも特に乃愛を嫌っていた。


「おまえは、本当に悪女なの?」

「…え?」

「おまえが本物の悪女なら、たしかに弱いものいじめをするやつはこの世で一番嫌いだから、嫌いだよ。だからおまえのこともよく思っていなかった。…だけど、最近はなんか違う気がして、さっきだって綾瀬さんのこと庇ったんだろ?だから、もしかして最近の宝槻は変わろうとしてるんじゃないかと思って、そう考えたら偏見で勝手に嫌って冷たくするのも、違うなって思ったんだよ」


雷は首の後ろに手を当てながら、気まずそうに視線を逸らしてそう言った。

正直、嬉しかった。

乃愛になってから、これ以上みんなから嫌われないよう目をつけられないよう必死で、それでも悪女である乃愛に対する視線は変わらなかったから。

物語の流れを変えられないとしても、悪女としての最悪なバッドエンドの結末だけは避けたかった。