悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

「なに?どうしたの?」

「宝槻さんが試合に誘ってあげた美羽ちゃんのこと突き飛ばしたらしいよ」


いやいや、私は庇ったんですけど!?

バスケットボールが飛んできたことなんて知りもしないクラスメイトたちが、好き勝手に私を悪者に仕立て上げていく。

どうせ私が何を言っても信じてくれる人は、誰もいない。

はあとため息をつきながら、じんじんと痛む腕をギュッとおさえながら体育館を出ていく。

こんなところにいても気分が悪い。

別に褒められたくて人助けをしたわけではないけど、褒められるどころか非難の目を向けられるなんて。

悪女も大変だな。


「失礼します…」


保健室には誰もいなく、先生はどうやら席を外している様子だった。

仕方がないから棚から自分で湿布を取り出そうと探っていると、後ろで扉が開けられる音がした。

咄嗟に振り向くと、そこにいたのは雷だった。

体育着から伸びる程よく筋肉のついている腕から、擦りむいたのか血が流れ出ていた。


「うわ、どうしたのそれ…」