悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

ハッと前を向くと、バレーボールを持った美羽が額に汗をかきながら頬を赤くして笑って立っていた。

一生懸命さっきまで試合をしていた証拠だ。

それにしても、怖いもの知らずで私に話しかけてきた美羽に、周りのクラスメイトたちの方が怯えていて、見ていて笑える。


「…やらないけど。私のことは放っておいてよ」

「…そっか。ごめんね」


そんな顔をするくらいなら、最初から話しかけてこなければいいのに。

しゅんとあからさまに肩を落としている美羽に、良心が痛む。

その時だった。

パスをミスったのか男子が投げたバスケットボールが勢いよくこっちに向かって飛んでくるのが視界の端で見えた。


「あぶな…っ!」


咄嗟に美羽を突き飛ばし、腕で自分の顔を守る。

ボールは勢いよく私の腕に当たってきた。


「きゃあ!美羽ちゃん、大丈夫!?」


クラスメイトたちはみんな、突き飛ばされた拍子に転んだ美羽に駆け寄る。